真空管式太陽熱温水器を建売住宅に後付けして約2年|200L「わくわくそーら200-ST」を実際に使ってみた

この記事は約11分で読めます。

「太陽熱温水器って、実際どうなんだろう?」

太陽光発電なら、太陽の光を電気に変える設備というイメージがあります。

一方、太陽熱温水器はもっとシンプル。

太陽の熱で、お湯を作る設備です。

我が家では2024年5月、2023年に購入した建売住宅に、M.M.C「わくわくそーら200-ST」を後付けしました。

この記事では、約2年間実際に使ってみて分かったことを、良かったところだけではなく、我が家の条件では不利だった部分も含めて紹介します。


我が家が太陽熱温水器を設置した理由

我が家は2023年に購入した建売住宅です。

太陽熱温水器を設置するきっかけのひとつになったのが、敷地内にあった使い道の限られる三角形のスペースでした。

「このスペース、何かに利用できないかな?」

そう考えて調べ始めたのが、太陽熱温水器でした。

当時は太陽光発電を載せる予定もありませんでした。

太陽のエネルギーを電気に変えるのではなく、熱として直接お湯に利用する

このシンプルな仕組みが面白いと思ったんです。

もちろん経済性も考えましたが、それだけではありません。

「実際に家で太陽の熱を使ってお湯を作ったらどうなるんだろう?」

という、暮らしの実験的な面白さもありました。


選んだのはM.M.C「わくわくそーら200-ST」

我が家が設置したのは、

M.M.C「わくわくそーら200-ST」

です。

200Lのタンクに真空管を使った、ヒートパイプ式の太陽熱温水器です。

容量は200Lを選びました。

当時は夫婦2人暮らしでしたが、

「将来的にお湯を多く使うこともあるかもしれないし、大きいほうでいいかな」

というくらいの感覚で決めました。


屋根ではなく地上置きにした理由

太陽熱温水器を検討したとき、設置場所もかなり悩みました。

200Lの水は、それだけで約200kgあります。

さらにタンク本体や架台などの重量も加わります。

屋根に設置する太陽熱温水器もありますが、建売住宅に後付けする設備として考えたとき、

「200Lのタンクを屋根に載せるのはちょっと怖いな」

というのが正直な感覚でした。

幸い、我が家には地上に設置できるスペースがありました。

そこで、屋根ではなく地上置きを選択しました。


設置場所は南向き。でも一日中日が当たるわけではない

我が家の太陽熱温水器は南向きに設置しています。

朝から日が当たり、だいたい15~16時頃までは日射があります。

ただし、西側には家があります。

そのため、午後になると西側の建物による影響を受けます。

つまり、

「南向きだから一日中ずっと日当たりが良い」

という条件ではありません。

この日当たりの条件は、実際の集熱量を考えるうえで重要だと思います。

それでも晴天時には、しっかりお湯を作ってくれています。


設置角度は約60°

設置時には、冬季の日射取得も考えて、約60°程度の角度で設置することを希望しました。

我が家の場合は午後に西側の建物の影響を受けますが、それでも冬の晴天時には40℃を超えることがあります。

太陽熱温水器は、

「南向きならOK」

というだけではなく、

実際の設置場所で、どの時間帯まで日射を確保できるか

が重要だと感じています。


施工はニューエコライフさんにお願いしました

設置工事は、ニューエコライフさんにお願いしました。

2024年1月から相談を始め、現地調査、設置場所、配管、給湯器との接続方法などについて相談しながら進めました。

初めて導入する設備だったので分からないことも多かったのですが、丁寧に対応していただきました。

こちらから本体価格について相談した際には、メーカーさんに掛け合っていただいたり、工事費についても見直していただきました。

そして実際の工事も非常に丁寧で、

仕上がりには大満足しています。

太陽熱温水器は比較的ニッチな設備なので、相談しながら導入できたことも安心材料でした。


設置費用は税込59万円

最終的な費用は、

税込59万円

でした。

メーカーさんとの価格交渉や工事費の見直しなどもしていただき、最終的にこの金額になりました。

我が家としては、実際の施工内容や仕上がりまで含めて、納得できる金額でした。


給湯器との接続には「スカイブレンダー」

我が家は太陽熱温水器だけで給湯を完結させるのではなく、既存のガス給湯器と組み合わせています。

使用している給湯器は、

ノーリツ GT-C2062(S)AWX

です。

当初は汎用のミキシングバルブも検討していましたが、ニューエコライフさんからノーリツの「スカイブレンダー」を勧めていただき、こちらを採用しました。

太陽熱温水器で温めたお湯を利用しながら、必要に応じてガス給湯器で補う使い方です。


お湯が足りなくても困らない

実際に使ってみて良かったのが、この部分です。

太陽熱温水器のお湯が十分に温まっていれば、それを利用します。

太陽熱だけでは足りなければ、ガス給湯器が補います。

そのため、

「今日は太陽が出なかったから、お湯が使えない」

ということはありません。

キッチンや食洗機など、家の中で給湯器のお湯を使う場所でも普通に利用できます。

太陽熱温水器を導入したからといって、生活スタイルを大きく変える必要がないのはメリットだと思います。


夏はタンク内70℃超え

温度計が正常だった頃に確認したところ、夏場にはタンク内温度が70℃を超えることもありました。

夏は日射が強く、気温も高い。

さらに我が家では冬ほどお湯を使いません。

晴天が続くと、かなり高温になります。

給湯器の燃焼表示を毎回細かく確認していたわけではありませんが、夏場はガス給湯器がほとんど燃焼しないと感じるくらい、太陽熱を利用できていました。


冬は晴れが続けば40℃超

一方、冬は条件がかなり厳しくなります。

我が家の場合、

晴れが続けば40℃を超える

という感じです。

雨の日は期待できません。

冬の曇りの日も、あまり期待できません。

さらに、太陽熱温水器から給湯器までは約15~20mあります。

冬は外気温も低いため、タンクから給湯器までの配管を通る間に、ある程度の熱損失もあると考えています。

そのため、

「冬でも太陽熱だけで十分!」

という感じではありません。

ただ、冬でも晴天が続けば40℃を超えることがある。

これは実際に使ってみて分かったことです。


高温になったときの温度調整

太陽熱温水器は、晴天が続くとタンク内がかなり高温になります。

我が家では給湯器側にノーリツのスカイブレンダーを設置しています。

また、太陽熱温水器側にも高温時に対応する仕組みがあります。

ただ、この部分については私自身が設備の専門家ではありません。

そのため、内部の動作について分からない部分を無理に断定せず、この記事では実際に確認できた温度や使用感を中心に紹介しています。


温度計は約1年ほどで故障

タンクの温度を確認できる温度計は、設置当初は結構楽しみにしていました。

夏に、

「70℃超えてるじゃん!」

と確認できるのも、太陽熱温水器ならではです。

ところが、温度計は設置から約1年ほどで故障。

太陽熱温水器自体は問題なく使えたので致命的ではありませんでしたが、

「今日は何℃まで上がったかな?」

と確認できなくなったのは少し残念でした。


都市ガスなので、経済性は正直「うーん」

我が家は都市ガスです。

そのため、LPガスを使用している家庭と比べると、太陽熱温水器による経済効果は感じにくいと思います。

もともと都市ガスの給湯コストが比較的安いので、

「太陽熱温水器を付けたらガス代が劇的に安くなった!」

というほどではありません。

ただし、請求書を確認すると、ガス使用量そのものは明らかに減っています。

もちろん、季節や生活スタイルなど他の要因もあります。

そのため、

「減った分が全部太陽熱温水器のおかげ」

とまでは断定しません。


実際にガス使用量はどれくらい減った?

我が家では、太陽熱温水器を導入した後、都市ガスの使用量が明らかに減りました。

前年同期間と比較すると、

期間都市ガス使用量
設置前・前年同期間280m³
設置後199m³
81m³減
削減率約29%減

という結果でした。

太陽熱温水器を設置したのは2024年5月なので、単純に「太陽熱温水器だけが原因」と断定することはできません。

季節による変動や生活スタイルなど、他の要因もあります。

それでも、前年と同じ4月~3月の12か月間で比較して、都市ガス使用量が280m³から199m³へ減ったというのは、我が家にとって分かりやすい変化でした。

投資回収を重視するなら「LPガス+好条件」はかなり面白い

ここは我が家とは少し違うケースです。

太陽熱温水器の投資回収をできるだけ早めたいなら、個人的には、

LPガス+日当たりの良い設置場所+給湯器までの距離が短い

という条件はかなり魅力的だと思います。

例えば、屋根などで周囲の建物による影が少なく、長時間日射を確保できる場所に設置できる住宅。

さらに、太陽熱温水器から給湯器までの配管距離が短ければ、配管中の熱損失も抑えやすくなります。

そこにLPガスが組み合わさると、太陽熱で給湯を補うメリットをより大きく感じられる可能性があります。

さらに、DIYが得意な人なら、専門業者さんに任せるべき工事はお願いしつつ、自分で対応できる範囲を相談して施工費を抑える方法も考えられます。

そうすれば、

削減できるガス代を大きくする

初期費用を抑える

ことで、投資回収までの期間を短くできる可能性があります。

なので、

「LPガス+長時間日当たりの良い場所+給湯器まで短距離」

という条件なら、私は太陽熱温水器をかなり有力な選択肢として検討します。


DIYについては「全部自分で」ではない

ここは誤解のないようにしておきたいところです。

太陽熱温水器は、DIYが好きな人なら楽しめる設備だと思います。

ただし、水道・給湯配管など、専門的な知識や資格が関係する工事もあります。

そのため、

「全部DIYすれば安い!」

という単純な話ではありません。

あくまで、

自分でできるところは自分で。
専門業者さんに任せるところは任せる。

という考え方です。

我が家はニューエコライフさんに設置工事をお願いしましたが、施工には大満足しています。

DIYと業者施工は、どちらが正解という話ではなく、住宅の条件や自分の知識・技術に合わせて考えるのが良いと思います。


それでも我が家は「付けて良かった」

経済性だけで評価すると、我が家の場合は、

「めちゃくちゃ得した!」

という設備ではありません。

それでも、

付けて良かった

と思っています。

理由は、

  • 太陽の熱でお湯を作れる
  • 夏は70℃を超えることがある
  • 冬でも晴天時には40℃を超える
  • 夏はガス給湯器の燃焼がかなり少なく感じる
  • キッチンや食洗機でも利用できる
  • ガス使用量が明らかに減った
  • お湯が足りなければガス給湯器が補ってくれる
  • 余っていたスペースを活用できた
  • 屋根に200Lのタンクを載せずに済んだ
  • 太陽熱を利用する仕組みそのものが面白い

からです。

特に個人的には、

「太陽の熱でお湯を作って、そのお湯で普通に生活する」

というシンプルさが気に入っています。


そして、その後に太陽光発電を載せました

太陽熱温水器を設置した当時、太陽光発電を載せる予定はありませんでした。

ところが、その後、我が家にも太陽光発電を導入しました。

そうすると今度は、

「せっかく太陽光発電を載せたなら、ガスをやめてエコキュート+IHにするのも面白いんじゃない?」

と思うようになりました。

ガスの基本料金をなくせるからです。

こうして今度は、

太陽光発電+エコキュート+IH

という別のロマンが生まれました。


将来、太陽熱温水器はどうする?

そうなると、

「今の太陽熱温水器は将来どうするんだ?」

という問題が出てきます。

数十年後、今のガス給湯器が寿命を迎えたときには、

  • 新しいガス給湯器に交換する
  • エコキュートにする
  • 太陽熱温水器との連携を検討する
  • 太陽熱温水器を撤去する

などの選択肢が考えられます。

調べてみると、太陽熱温水器とエコキュートを組み合わせるための製品や、ソーラーお湯はりユニットなどもあります。

ただし、

我が家で使用している「わくわくそーら200-ST」と実際に連携できるのか、どの製品なら対応可能なのか、施工対応できる業者さんがどれくらいいるのかまでは、まだ詳しく確認していません。

太陽熱温水器は比較的ニッチな設備なので、そのときになって対応できる業者さんを探すことになるかもしれません。

まだ数十年先の話。

その時代の製品や施工環境を見ながら考えればいいかなと思っています。


約2年間使って分かったこと

良かったところ気になったところ
太陽の熱でお湯を作れる冬や曇天時は集熱量が少ない
夏は70℃を超えることがある午後は西側の家の影響を受ける
冬も晴天時は40℃を超える給湯器まで約15~20mある
夏はガス給湯器の燃焼が少なく感じる配管による熱損失が考えられる
ガス使用量が明らかに減った温度計が約1年で故障
お湯不足はガス給湯器が補ってくれる都市ガスなので経済効果は限定的
余っていたスペースを活用できた対応できる業者さんが限られる可能性
屋根に200Lのタンクを載せずに済んだ将来のエコキュート連携は未確認
太陽熱を利用する仕組みが面白い

まとめ|太陽熱温水器は「条件が合えば」かなり面白い

我が家が2024年5月に設置したのは、M.M.C「わくわくそーら200-ST」という200Lの真空管式太陽熱温水器です。

2023年に購入した建売住宅の敷地内にあるスペースを利用し、南向き・約60°で地上設置しました。

朝から日が当たり、15~16時頃までは日射があります。

ただし、西側の家による影響があるため、一日中ずっと日当たりが良いわけではありません。

それでも夏には70℃を超えることがあり、冬も晴天が続けば40℃を超えることがあります。

設置工事はニューエコライフさんにお願いしました。

相談から工事まで丁寧に対応していただき、施工の仕上がりには大満足しています。

費用は税込59万円。

我が家は都市ガスなので、経済性だけを考えると「圧倒的にお得」という設備ではありません。

それでもガス使用量が明らかに減ったことは実感しています。

そして、もしこれから太陽熱温水器を検討するなら、私は特に、

LPガスを使っている

長時間日当たりの良い場所がある

給湯器までの距離が短い

という家庭には、一度検討してみてもいい設備だと思います。

さらにDIYが得意で、適切に業者さんと施工範囲を分けられるなら、初期費用を抑えて投資回収を早められる可能性もあります。

太陽熱温水器は、どんな家庭でも必ず得をする設備ではありません。

日当たり、設置スペース、給湯量、ガスの種類、配管距離、設置費用。

こうした条件によって評価はかなり変わります。

だからこそ、

「太陽熱温水器がお得か?」ではなく、「自分の家なら条件はどうなのか?」

と考えるのが大切だと思います。

我が家の場合は、経済性だけでなく、

「太陽の熱でお湯を作って暮らす」

というロマンも含めて、今のところ導入して良かったと思っています。

そして現在は太陽光発電まで導入したことで、今度はエコキュート+IHでガスを卒業するロマンまで出てきました。

数十年後、我が家の太陽熱温水器がどうなっているのか。

そのときにエコキュートと連携しているのか、まだ太陽熱でお湯を作っているのか、それとも別の設備になっているのか。

それも含めて、これからも我が家の「暮らしの実験」として記録していきたいと思います。


太陽熱温水器を設置したら、ガス使用量はどれくらい減った?

太陽熱温水器を実際に使ってみて、気になるのはやっぱり「本当にガス使用量は減ったの?」というところ。

そこで次の記事では、料金ではなく実際の都市ガス使用量(m³)を使って、設置前と設置後を比較します。

さらに、設置費用59万円に対して、

  • 年間でどれくらいガス使用量が減ったのか
  • 金額にすると年間いくらの節約になったのか
  • 初期費用59万円を回収するまで何年かかるのか
  • 都市ガスの我が家では経済的にどうだったのか

まで、実際のデータを使って検証します。

👉 「59万円かけて、太陽熱温水器は本当に元が取れるの?」

我が家の実測データで、正直に検証してみます。


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