我が家は2023年に、東栄住宅の建売住宅「ブルーミングガーデン」を購入しました。
購入時のUA値(家の熱の逃げやすさ)は0.56、BEI(基準と比べた計算上のエネルギー消費の割合)は0.74。その後、太陽熱温水器、内窓9か所、太陽光発電4.38kWを追加しています。
数字を並べても、家を買ったことがない方には、どのくらいの性能なのか分かりにくいかもしれません。私も「我が家は、今の住宅の中でどのあたりなのだろう」と気になりました。
そこで今回は、国の性能基準と全国の普及データを使って、購入時の性能と後付け設備を整理してみます。比較するのは、断熱・省エネ性能です。
結論|購入時からZEH水準。今は断熱・給湯・発電を補った家
我が家は購入時から、ZEH水準に相当する断熱・省エネ性能を備えていました。設備を追加して初めて、この水準になったわけではありません。
ZEH水準とは、断熱性能と、再生可能エネルギーを除いた省エネ性能が一定の基準を満たすこと。太陽光などを含めて年間のエネルギー収支をゼロ以下にする『ZEH』とは区別されます。
一方で、断熱等級にはさらに上の6・7があります。購入時の我が家は、最高等級ではなく、ZEHの断熱水準を満たす等級5という位置です。
そこに内窓で窓の断熱を補い、太陽熱でお湯を温める負担を減らし、太陽光で電気をつくる設備を加えました。
内窓追加後のUA値も条件を置いて概算すると、代表例は約0.50。購入時の0.56から改善し、等級6のUA値基準0.46に近づく計算になりました。以下で、仮定を変えた場合も含めて説明します。

UA値0.56は、国の基準ではどのあたり?
UA値(熱の逃げやすさを示す値)は、小さいほど高断熱です。群馬県高崎市の我が家が属する6地域では、次の基準になっています。
| 断熱等級 | 6地域のUA値基準 | 我が家との関係 |
|---|---|---|
| 4 | 0.87以下 | 省エネ基準の断熱水準 |
| 5 | 0.60以下 | 購入時0.56/内窓後の参考計算約0.50 |
| 6 | 0.46以下 | 参考計算約0.50より、さらに高い断熱水準 |
| 7 | 0.26以下 | さらに高い断熱水準 |
つまり、購入時から省エネ基準より高い断熱水準でした。ただし、この表は6地域の比較で、寒冷地などは基準値が異なります。等級の判定には、夏の日射熱が室内に入る割合などの条件も必要です。
出典:国土交通省「省エネ性能表示制度 事業者向け概要資料」(冊子34ページ/PDF36枚目)。
全国の建売住宅と比べると?
環境省の公表集計では、2024年度の新築戸建住宅について、ZEHシリーズとZEH水準住宅を合わせた割合は、建売住宅で17.5%、注文住宅で61.8%、戸建全体で46.0%でした。

我が家の購入時の断熱・省エネ性能も、ZEH水準に相当します。この集計では、建売における普及はまだ途上にあることがうかがえます。
この割合は着工統計とZEH関連の報告から求めた普及データで、性能順のランキングではありません。2023年購入の我が家に対し、比較対象は2024年度の新築住宅です。
出典:環境省「住宅脱炭素NAVI」事業者向け情報。同ページは国土交通省の建築着工統計とSIIの調査発表会を基に集計しています。
古い住宅も含めると、省エネ基準を満たす断熱性能は約19%
国土交通省の推計では、2023年度時点の住宅ストック(古い住宅や共同住宅を含む全国約5,400万戸)のうち、省エネ基準を満たす断熱性能の住宅は約19%でした。
我が家は購入時から、その基準より上の断熱等級5です。古い住宅も含めた全国全体では、断熱性能の高いグループに位置すると考えられます。一方、最近の高断熱な新築住宅だけを比較相手にすると、さらに上の等級6・7もあります。
約19%は基準を満たす住宅の割合であり、我が家の順位を示す数値ではありません。2026年現在の割合とも区別して見ています。
出典:国土交通省「住宅税制のEBPMに関する有識者会議 中間とりまとめ」(2025年6月)内「住宅ストックの断熱性能」。
自分の家の性能を確認するなら
購入時のBELS評価書(省エネ性能の評価書)や住宅性能評価書があれば、まず「断熱等級・UA値・BEI」を探してみてください。書類によって記載項目は異なります。
- 断熱等級・UA値:家の熱の逃げにくさを確認する数字。UA値は小さいほど高断熱です。
- BEI:設備も含めた、計算上のエネルギー消費の割合。我が家の0.74なら、基準より約26%少ないことを表します。
後付けした内窓や太陽光の効果を比べるときも、購入時の数字が出発点になります。
後付け設備で、何が変わったのか
| 追加した設備 | 我が家での役割 | 分かっていること |
|---|---|---|
| 内窓9か所 | 窓の断熱を補う | UA値の参考計算は代表例で約0.50。西日の熱さ・電車の音の軽減も実感 |
| 太陽熱200L | 給湯器の負担を減らす | 太陽の熱でお湯を温め、給湯に使うガスを減らすために導入 |
| 太陽光4.38kW | 電気をつくる | メーカーの年間予測発電量は6,424kWh |
太陽光は発電、太陽熱は給湯、内窓は窓の断熱を担当します。家全体のUA値を直接改善するのは、この3つのうち内窓です。
内窓で断熱等級は上がった? 参考計算ではUA値約0.50
購入時のUA値0.56と、これまでの採寸集計による内窓9か所の合計面積約14.0㎡を使い、改善の大きさを概算しました。
代表例では、外皮面積(屋根・外壁・床・窓など、外と接する部分の合計)を300㎡、窓のU値(窓単体の熱の逃げやすさ)を設置前2.33、設置後1.12と仮定しています。窓の数値はメーカーの性能表を参考にした条件例です。
この条件では、UA値は0.56から約0.50へ改善します。等級6のUA値基準は0.46以下なので、代表例では等級5の中で性能が上がり、等級6に近づいたと捉えられます。
UA値0.56から約0.50になると、何が変わる?
今回の参考計算では、同じ室内外の温度差なら、壁・窓・屋根などから逃げる熱が約1割減る目安です。冬の暖かさを保ちやすくなりますが、年間の電気代がそのまま1割下がるという意味ではありません。
外皮面積と窓の仕様を変えた例も計算しました。
| 条件例 | 外皮面積の仮定 | 窓のU値:前→後 | 改修後UA値の計算例 |
|---|---|---|---|
| 改善が小さめの例 | 350㎡ | 2.33 → 1.33 | 約0.52 |
| 本文の代表例 | 300㎡ | 2.33 → 1.12 | 約0.50 |
| 改善が大きめの例 | 250㎡ | 2.91 → 1.12 | 約0.46 |
この3例は、実測した外皮面積や各窓の確認済み性能ではなく、仮定を変えた計算です。我が家の実際のUA値が必ず0.46〜0.52に収まる範囲を示すものではありません。
代表例は約0.50。改善を大きく見込む条件では、等級6のUA値基準付近になるという結果です。改修後の正式な等級を示すには、実際の外皮面積・窓の仕様・日射の条件をそろえる必要があります。
参考計算の条件と式|内窓追加後のUA値
計算式:改修後UA値=購入時UA値−対象窓面積×(改修前の窓U値−改修後の窓U値)÷外皮面積。
代表例:0.56−14.0258×(2.33−1.12)÷300=0.503429…≒0.50 W/㎡K。
外皮から逃げる熱の減少割合は、外皮面積と室内外温度差が同じ条件で、(0.56−0.503429…)÷0.56×100=10.1019…%。本文では約1割と表現しています。換気によって逃げる熱や、日射・内部発熱などはこの割合に含めていません。
小さめの例:0.56−14.0258×(2.33−1.33)÷350=0.519926…≒0.52。大きめの例:0.56−14.0258×(2.91−1.12)÷250=0.459575…≒0.46。途中は丸めず、最後に小数第3位を四捨五入しています。
大きめの例は計算上0.46以下ですが、境界に近く、元のUA値の丸めや窓仕様の違いで判定が変わり得ます。外皮面積250・300・350㎡は図面から算出した値ではなく、影響を見るための仮定です。
対象面積14.0258㎡は過去の採寸集計値で、正式な外皮計算用開口面積とは一致を確認していません。玄関の室内間仕切りは、この外窓の断熱改善面積に加えていません。
窓のU値はYKK APの「開口部の熱貫流率」「二重窓の熱貫流率」の木造用表を参考にした仮定値です。例えば、樹脂と金属の複合サッシ・Low-E複層ガラスの条件により、改修前2.33や2.91、二重窓後1.12や1.33という値があります。ガス・空気層の厚さ、内窓のガラス、付属部材などで変わります。我が家のエピソードNEOとインプラス・ウチリモ全9か所の組み合わせを個別照合した結果ではありません。
窓以外の熱損失、外皮面積、熱橋は変わらず、対象窓の温度差係数を1とする簡略計算です。シャッター等が購入時の評価に算入されている場合には、その扱いもそろえる必要があります。購入時UA値0.56自体にも表示上の丸めがあります。計算日:2026年10月21日。
UA値の改善割合は、暖冷房費や電気使用量の削減割合とは異なります。気密性・換気・日射・生活条件の変化を、この式では評価していません。
出典:YKK AP「開口部の熱貫流率」木造用(2026年4月6日改訂)、同「二重窓の熱貫流率」木造用(2025年6月2日改訂)。確認日:2026年10月21日。
内窓と玄関間仕切りを追加した後のエアコン電力は、気象条件と合わせて別の記事で検証しています。

BELSの星はどう変わる? 条件付きの参考計算で確認
購入時のBELSは旧制度の星5つでした。同じ購入時の性能を現在の区分に当てはめると星3つ相当です。性能が下がったのではなく、評価の物差しが変わりました。
後付け後については、次の2つを分けて確認しました。
| 確認したこと | 参考結果 | 計算の前提 |
|---|---|---|
| 星数の条件付き計算例 | 星6相当 | 太陽熱の参考削減量を加え、太陽光を年間1,000kWh自家消費すると仮定 |
| 実測から推計した年間自家消費量 | 約2,200kWh/年 | メーカーの年間発電予測6,424kWhに、夏約3か月の実測自家消費率33.9%を適用 |
星6相当は、条件を仮定した参考計算です。一方、約2,200kWh/年は、夏の実測データから推計した年間自家消費量の目安です。 季節によって発電量や電気の使い方が変わるため、年間を通して測ると異なる可能性があります。この約2,200kWhを使って、BELSの星数を確定したものではありません。
星の評価は標準的な使い方を想定し、太陽光の自家消費分を反映します。売電分も扱うZEHの収支とは計算が異なり、改修後の正式なBELS評価は取得していません。
参考計算の条件と過程|星数と年間自家消費の目安
元データ:購入時BELSの基準550・設計405MJ/㎡・年(その他の一次エネルギー消費量を除く)、延床104.12㎡。年間基準は550×104.12÷1,000=57.266GJ、設計は405×104.12÷1,000=42.1686GJです。
太陽熱は既存のZEH検証記事で求めた参考削減量4.9003198…GJ/年を仮に採用。集熱面積・機器区分・接続方式などに仮定があります。内窓の省エネ効果、接続機器の追加消費電力は含めていません。
太陽光の自家消費1kWhを9.76MJで換算。年間500kWhなら4.88GJ、1,000kWhなら9.76GJです。500・1,000kWhは比較のための仮定で、我が家の標準条件による計算結果ではありません。
削減率=(年間基準−購入時の年間設計+太陽熱削減量+太陽光自家消費の換算量)÷年間基準×100。
購入時:(57.266−42.1686)÷57.266×100=26.3636…%。太陽熱追加:(57.266−42.1686+4.9003198…)÷57.266×100=34.9207…%。
太陽熱と自家消費500kWh:(57.266−42.1686+4.9003198…+4.88)÷57.266×100=43.4423…%。自家消費1,000kWh:(57.266−42.1686+4.9003198…+9.76)÷57.266×100=51.9640…%。
途中は丸めず、本文では最後に小数第2位を四捨五入。現行のエネルギー消費性能の区分は、20%以上30%未満が星3、30%以上40%未満が星4、40%以上50%未満が星5、50%以上が星6です。今回の値をこれらの区分に照合しています。
年間自家消費の目安は別の概算です。504÷1,486×100=33.9165…%、小数第2位を四捨五入した33.9%を年間にも仮に適用。6,424×0.339=2,177.736kWh。整数に四捨五入して2,178kWh、本文の目安は約2,200kWhとしました。2026年の設置年途中の実績や、年間実測値を示すものではありません。
公式の自家消費量は標準的な生活条件の時間ごとの電力需要と発電量から求めます。実測から延長した約2,200kWhを、この条件付き星数計算に流用していません。制度・実測掲載値の確認、参考計算日:2026年10月25日。
実測データと発電予測の出典:我が家の太陽光発電の設置記録。計算法:建築研究所・第二章第二節「設計一次エネルギー消費量」Ver.16。
参考:国土交通省・エネルギー消費性能、住宅性能評価・表示協会・省エネ性能ラベルのQ&A(2026年5月15日更新)。
ZEHの収支は、参考試算で100%を超えた
購入時BELSに太陽光と太陽熱の参考計算を組み合わせると、再エネ込みの一次エネルギー(電気やガスを共通のものさしで比べたエネルギー量)の削減率は約120%になりました。
100%を超えるとは、今回の計算では、省エネ後の年間消費量を太陽光の発電分が上回るという意味です。標準的な使い方を想定した計算で、実際の光熱費ゼロを示す数字ではありません。
太陽光はメーカー予測とは別の参考発電量を使用し、太陽熱の集熱面積や接続条件などには仮定を置いています。内窓の省エネ効果や接続機器の追加消費電力は含めていません。改修後の正式なZEH判定ではなく、設備別の計算を組み合わせた参考値です。
元データ、仮定した条件、計算過程は、こちらの記事の折りたたみにまとめています。

建売住宅でも、購入時の性能と住んでからの改善が見えてきた
今回分かったのは、我が家は購入時からZEH水準の断熱・省エネ性能を持ち、住んでから窓・給湯・発電を補ってきた家だということです。
内窓追加後の断熱性能は、条件付きの代表例でUA値約0.50。購入時の0.56より改善し、等級6のUA値基準0.46に近づく計算になりました。
最上位の断熱等級の家と同じではありませんが、購入時の資料を確認すると、建売住宅にも性能を評価できる土台があることが分かりました。
我が家も、計算上の性能だけでなく、日々の使い勝手や電気・ガス使用量を記録しながら、住み心地を確かめていきます。
全国比較・断熱資料確認日:2026年10月21日。熱損失割合の説明追記:2026年10月22日。星の制度・自家消費掲載値の確認と参考計算:2026年10月25日。住宅・設備の情報は我が家の評価書・設置資料・確認情報によります。改修後のUA値・星数・一次エネルギー削減率は条件付きの参考計算です。本稿の断熱・ZEH比較は従来の基準に基づくもので、GX ZEHの適合判定や耐震性能の順位付けは行っていません。
